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熱海の季節料理「延」が再オープン マルノワグループが継承、次世代へ

「延」を継承して店を切り盛りするマルノワグループの佐藤来夢さん

「延」を継承して店を切り盛りするマルノワグループの佐藤来夢さん

 50年以上にわたり熱海で親しまれてきた季節料理「延(のぶ)」(熱海市中央町)が8月3日、市内で飲食店を展開するマルノワグループ(銀座町)による事業継承を経て再オープンした。

「延」がかつて提供していた料理をアレンジしたオリジナルメニューを提供(関連画像5枚)

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 1973(昭和48)年4月、創業者の松本延代さんが開業した同店。下田から芸者として熱海に移り、ビルができたのと同時に店を構え、小料理屋として営業を始めた。長年にわたり、地元客からは「おでん屋」として親しまれてきた。現在88歳となる松本さんが半世紀以上にわたって店を守ってきた。

 事業継承したマルノワグループ社長の田中雄基さんは、以前から同店を利用してきたという。田中さんの祖父や父も「延」をよく利用しており、田中さん自身も28歳の頃に初めて来店。都内で飲食店を経営していた時期も、熱海へ帰省する際には必ず立ち寄っていた。特に薄味のおでんが印象に残っていたという。

 田中さんはその後熱海に戻り、2021年3月、渚町に「フレンチおばんざい marunowa」を開業。熱海で店を始めてからも、毎日のように「延」に足を運んでいたという。観光客が徐々に増え、忙しくなっていく様子を見ながら、「老舗にはこれからも長く店を続いてほしい」という思いで通い続け、marunowaの若いスタッフも同店を訪れるようになった。

 今年5月、松本さんの高齢化を受け、松本さんの娘2人から田中さんに「誰か後継者はいないか」と相談があった。「当初は店を継ぐことは想定していなかった」が、6月に社内で検討し、事業を引き継ぐことを決意。7月に準備を進め、8月3日にマルノワグループによる新体制で営業を再開した。

 店を切り盛りするのは、熱海・下多賀出身で、長く田中さんと働いてきた佐藤来夢さん。以前から「延」にもよく通っていた佐藤さんは、松本さんの体調の変化を目の前にしながら、「自分にも何かできれば」と考えていたという。

 店舗面積は約30平方メートル。カウンター席6席、小上がり席6~8席、テーブル席2席を備える。内装はほぼ創業当時の姿を残し、長年親しまれてきた雰囲気をそのまま生かしている。店内外には、松本さんが長く守ってきたのれんを掲げる。

 メニューは、創業当時から提供していた小料理をベースに、マルノワグループらしいアレンジを加えた。冷ややっこは、塩昆布やオリーブオイル、オリジナルソースを合わせた「ミニトマトの出汁(だし)冷奴(ひややっこ)」(580円)として提供。もろきゅうは「ライム タイム きゅうり」(520円)として、ナンプラーやライムで香り付けするなど、全体的に洋風に仕上げている。フランス料理の経験を持つ田中さんと佐藤さんが考案した。

 おでんに代わる看板メニューとして用意するのは「モツの塩白ワイン煮込み」(880円)。大葉、三つ葉、春菊を使ったソースを合わせ、イタリア・フィレンツェの郷土料理「ランプレドット」をアレンジした一品として仕上げた。今後も営業を続けながら、メニューは随時変えていくという。

 ドリンクでは、一般的な飲食店ではボトルキープの対象としていない銘柄の焼酎やウイスキーも用意。焼酎は5,000円前後、ウイスキーは1万円前後で、単品では焼酎800円~、ハイボール1,000円などを提供する。

 田中さんは「松本さんが人生を懸けてやってきた店を大事にしたい。壊すのは簡単だが、人や場所をリスペクトして、残せるものは後世に残していきたい」と話す。佐藤さんは「松本さんに会いに来ていたお客さまにも、店が変わってもまた来てもらえたら」と意気込む。

 営業時間は21時ごろ~翌2時。火曜・木曜・日曜定休。

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