MOA美術館(熱海市桃山町)で現在、展覧会「デジタル北斎漫画 & The Great Wave」が開かれている。
今回の展覧会では、江戸時代後期に活躍した浮世絵師・葛飾北斎の代表作として知られる「北斎漫画」全15編と「冨嶽(ふがく)三十六景」全46図を一挙公開する。プロジェクションを活用した体験コーナーや動画を活用した解説展示を行う。
「北斎漫画」は、北斎の門人に向けた絵手本として刊行された全15編の作品集。人物や建物、山川草木、鳥獣など約三千数百図を収録し、こま割りや連続した動き、人物のしぐさで風を感じさせる描写など、現在のアニメやマンガにも通じる手法が見られる。通常展示では一度に公開できるページ数が限られることから、作品全体の魅力を伝えられるよう体験コーナーを用意した。15編の全ページをデジタルで閲覧でき、実際にページをめくりながら鑑賞できる。
「冨嶽三十六景」は、北斎による全46図の富士図版画集。「北斎漫画」がモノクロを基調としているのに対し、「冨嶽三十六景」は豊かな色彩が印象的な作品群。場所や時間、季節を変えながら富士山を描き、三角形や円などの幾何学的な構図や遠近法も取り入れている。中でも「神奈川沖浪裏(なみうら)」は「The Great Wave」として世界的にも広く知られている。
このほか、北斎が40代、50代で手がけた読み本の挿絵「新編水滸(すいこ)画伝」「椿説(ちんせつ)弓張月」も展示し、画風の変遷を紹介する。
会期中は、館内5カ所を巡ってスタンプを重ねると「神奈川沖浪裏」のポストカードが完成するスタンプラリーや、和傘の貸し出し、巨大フォトスポットなど、家族連れでも楽しめる催しも用意する。
同館広報担当者は「美術に親しみのない人にも気軽に楽しんでもらえるよう、デジタルを活用して作品を紹介している。夏のお出かけ先の一つとして、MOA美術館を気軽に楽しんでもらえたら」と話す。
開館時間は9時30分~16時30分。木曜休館(8月13日は開館)。観覧料は一般2,000円ほか。9月1日まで。