静岡聖光学院中学校・高校が主催する「国際未来共創サミット2026」の最終プレゼンテーションが9月3日、起雲閣(熱海市昭和町)で行われた。
ブルネイ、タイ、イタリア、ニュージーランドと静岡聖光学院の中高生約80人が参加し、熱海市内でのフィールドワークや調査を通して考えた「熱海観光の未来」について、12グループが英語で発表した。
同サミットは8月31日〜9月3日の4日間にわたって開催。これまで校内を中心に行ってきた国際教育プログラムを発展させ、初めて学校の外に出て地域そのものを学びのフィールドとして開いた。参加した生徒たちは国籍や文化的背景の異なるメンバーでグループを組み、熱海市内を訪れて地域関係者へのヒアリングなどを行いながら、持続可能な観光や地域資源の活用、世界に選ばれる観光地の在り方について考えた。
最終日の発表では、海外の若年層における熱海の認知度の低さに着目したグループが、夜のアクティビティーの開発を提案。ウオーターフロントにバーやレストランを誘致し、昼間だけでなく夜も楽しめる観光地にするアイデアを示した。
海外からの誘客を意識し、映画のロケ地として熱海を売り込む「海外映画の撮影誘致」を提案するグループもあった。映画を通じて熱海の風景や文化を海外に発信し、観光客の増加につなげる考えをプレゼンした。熱海市街地から離れた観光施設へのアクセスを課題として捉えたグループは、各ホテルを起点に十国峠や熱海城などを巡るバスツアーを企画。宿泊施設と観光施設を結ぶ交通手段を整備することで、市街地以外への観光客の回遊を促す案を発表した。
デジタル技術を活用した提案も登場した。会話型AIやARサイネージと連動する熱海独自の観光アプリを開発し、観光客それぞれの興味や行動に合わせて情報を提供する仕組みを提案。既存の観光情報を一方的に発信するだけでなく、訪問者との対話を通して熱海の楽しみ方を広げるアイデアを示した。
発表の中からグランプリに選ばれたのは、地域住民自身が「地域発」で熱海の魅力を発信することを軸にしたグループで、地域の人が自らの生活や仕事、食、祭り、文化などをSNSで発信する取り組みを提案。地域の日常そのものを魅力として伝えていく持続可能な観光を提案した。
今回のサミットについて、同学院の米山利寛さんは、観光地である熱海を舞台に、海外の異なる文化や言語を持つ生徒たちが共同で学んだことに触れ、「自分たちで問いを立て、計画し、主体性を大切にした取り組み」と説明。こうした経験を通じて「社会へのアクションを体現できる大人に成長してほしい。自分たちの地域に戻ってもグローカルに活動してもらいたい」と期待を込める。