高齢者や障害のある人を含め、誰もが泊まりやすい宿づくりについて考える「熱海観光宿泊施設の未来をつくるユニバーサルツーリズム研修会」が9月10日、起雲閣(熱海市昭和町)で開かれた。
宿泊・観光事業者、自治体、医療・介護・福祉関係者ら約30人が参加
主催は熱海観光局。介護付き有料老人ホーム「ぽっかぽか熱海館」(西熱海町)を運営する「ぽっかぽか・ジャパン」が共催した。「熱海ユニバーサルツーリズム研修2026」の一環として、補助金や助成金を活用した宿泊施設の改修事例などを共有し、熱海の宿泊施設が受け入れ体制づくりに向けた一歩を踏み出すきっかけとすることを目的に開いた。宿泊・観光事業者、自治体、医療・介護・福祉関係者ら約30人が参加した。
「ぽっかぽか・ジャパン」社長で、長崎県ユニバーサルツーリズムセンター代表も務める里見浩則さんは、熱海におけるユニバーサルツーリズムの展望や助成制度の活用方法について解説した。昨年11月に実施した実地研修に続く取り組みで、「関係者の輪を広げ、動きを加速させたい」と位置付けた。
事例発表では、上諏訪温泉「ホテル紅や」(長野県諏訪市)ホテル事業部長の清水孝弘さんが、客室や浴室の改修と、実際の受け入れについて紹介。「ユニバーサル・サポートすわ」代表の牛山玲子さんは、温泉での入浴介助や浴室改修のノウハウを説明した。
富山県氷見市の「湯の里いけもり別館AMAZA~天座~」の池森典子さんは、ユニバーサルルームを整備するまでの経緯を報告。施設の改修に至った背景や、利用者を受け入れるための環境整備について事例を共有した。
「愛知ユニバーサルツーリズムステーション」代表理事の鈴木洋平さんは、観光庁の「観光地・観光産業におけるユニバーサルツーリズム促進事業」をはじめ、全国の宿泊施設や観光地における改修事例を紹介。「手すりの設置といった小さな改修から始められる。使える制度は少なくない」と呼びかけた。
熱海市内では、車いす利用者などへの対応が可能な宿泊施設はまだ少なく、対応状況に関する情報発信もこれからの段階にある。熱海観光局の酒井剛士さんは「ほぼゼロからのスタートだが、観光リゾートとしては必ず必要になる。少しずつ対応施設を増やしていきたい」と話す。同局では11月末にも、車いすでのまち歩き体験などを盛り込んだ宿泊付きの実地研修を予定している。