温泉旅館「古屋旅館」(熱海市東海岸町)が7月22日、創業220周年を記念した新客室をオープンした。
今回リニューアルしたのは、本館1階にある庭園に面した客室。従来の15畳の和室を約68平方メートルの露天風呂付き和洋室に改装した。ベッドを希望する家族旅行や、海外からの宿泊客など、近年の宿泊スタイルの変化に対応するのが狙い。
客室はベッドスペースと畳スペースを一体化した開放的な造り。ベッドにはシモンズ社製のセミダブルベッド2台を採用し、畳スペースには布団を2組まで敷くことができるため、最大4人で利用できる。家族旅行や三世代旅行にも対応する。
客室露天風呂には、熱海七湯の一つ「清左衛門の湯」を源泉100%掛け流しで使用。夕食・朝食はいずれも客室内で提供する部屋食スタイルを継続し、プライベートな滞在を楽しめるようにした。客室には低濃度オゾン発生装置も備え、24時間稼働させることで空気環境にも配慮する。
内装には、創業した江戸時代から受け継がれる日本文化を取り入れた。ベッドヘッドには「七宝」「麻の葉」「亀甲」の3種類の縁起文様を配し、それぞれ「富と繁栄」「健やかな成長」「長寿と健康」の願いを込めた。
食事スペースには門松をイメージした竹を設え、障子には釘を使わない組子細工を採用。「人と人を結ぶ」という意味を持つ「枡つなぎ」の文様を取り入れるなど、老舗旅館らしい意匠を随所に施した。
新客室は6月下旬から販売を開始。8月の予約は90%以上が成約しており、長年利用しているリピーターに加え、新規客からも予約が入っているという。同社社長の内田宗一郎さんは「220周年という大きな節目を迎えられたのは、歴代の先人たち、スタッフ、お客さまのおかげ」とした上で、「歴史を守るだけでなく、これから先も多くのお客さまに快適に過ごしてもらうための新たな挑戦」と話す。
同館では220周年記念事業として、熱海市出身力士・熱海富士関の化粧まわし制作も進めている。