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熱海の会員制ワークスペース「CLUB HUBlic」1周年 学びと働く場に

1周年を迎えたHUBlicの小林めぐみさん

1周年を迎えたHUBlicの小林めぐみさん

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 熱海銀座商店街の会員制シェアワークスペース「CLUB HUBlic(ハブリック)」(熱海市銀座町)が5月1日、オープン1周年を迎える。

広いテーブル席やカウンター席を備える

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 2021年5月1日に開業した同施設。経営者向けコーチングや企業研修などで経営支援を行ってきたキャリアコンサルタントの小林めぐみさんが運営する。2009(平成21)年に東京から伊豆高原に、2018(平成30)年には伊豆高原から熱海に、それぞれ移住して活動を進める中で感じることも多かったという地域課題について、小林さんは「熱海には起業家を育成するプログラムがあり、起業したい人は増えたが、実際に形になるには一緒に伴走する必要があった。また、熱海の宿泊施設や企業で働く人の育成にも課題があった。接客など職種に合う教育はできても、キャリアアップの教育環境がない。それを提供できる場所を作ろうと考えた」と振り返る。

 昨年2月に同施設を開業するためのプロジェクトを立ち上げて、クラウドファンディング(CF)で呼びかけたところ、330万円以上の支援が集まった。CFのリターンは、熱海の若者にスキルアップ講座を無料で進呈できるというものを用意し、CFで集まった資金は研修費用に充てた。

 同施設はカフェとジェラート店が入る建物の奥にある。打ち合わせなどにも利用できる大きなテーブル席のほか、カウンター席、1人用ブース席、個室のミーティングルームを設けている。白を基調に観葉植物や温かみのある照明で、落ち着いた雰囲気を提供する。フルタイムで施設を利用できる一般会員コースだけでなく、ワーケーションやオンラインがメインの会員コースも用意したところ、県外在住者の入会にもつながっているという。4月現在、会員47組のうち16組がオンライン会員として登録している。

 会員は、個人事業主や経営者が多いが、会社員や公務員、保育士などもいて職種が幅広いのが特長。「スペース利用の目的に限らず、キャリアアップのための講座、施設が貸し出す書籍、人との交流を目的に利用している会員も多い」と小林さん。会員がメンバーを集めてプロジェクトを立ち上げたり、会員同士でのビジネスマッチングにつなげたりもしているという。

 昨年5月からさまざまな講座をスタートし、実施予定も含めて約100回の講座を提供。延べ500人以上が受講する。講座は、傾聴、ファシリテーション、英会話、プログラミング、マーケティングなど、「実践的で、生き抜くために必要なスキルを身につける内容」とし、学び直しにも効果的だという。小林さんは「まずは熱海で働いている人に幸せになってほしい。その育成のための場所なので、熱海の経営者は従業員にここで学ぶ機会を与えてもらえたら」と呼びかける。

 今後について、小林さんは「既存会員にとっても新しいつながりができるように、1日利用できるドロップインの受け入れを強化していきたい」という。同施設は「熱海への移住や二拠点居住の入り口に」というコンセプトもあり、「日常から少し離れて自分と向き合え、新しい自分を発見できる場所にしてほしい」と期待を込める。

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