熱海市内に現在、ロケーションや特徴を生かしたフォトスポットが続々とお目見えしている。

櫻坂46のミュージックビデオロケ地に整備した展望台（関連画像8枚）

　熱海港と八幡山の山頂を結ぶ「アタミロープウェイ」の山頂は、熱海市街地や相模灘を望むパノラマ展望台「うみそらテラス」が特に若い女性客の人気を集めているという。7月下旬には、テラス南部分を整備。初島を眺めながらアメリカ西海岸風のデザインを背景に撮影を楽しめるように新たなフォトスポットを設けてお披露目した。同施設では周辺施設への相乗効果にも期待を寄せる。訪れたカップルは「展望台を目的に来たが秘宝館もあったので一緒に楽しむことができた」と話していた。

　伊豆山・七尾地区の徳田椎茸（しいたけ）園では、5月から設置工事を始めた展望台が7月に完成した。入り口に直売所を設けるなど一般客が来園しやすくなる取り組みを進めてきた同園。3代目の徳田勝幸さんが「七尾地区の新たな観光スポットになれば」と企画した。

　新たに設置した2カ所の展望台からは、初島や伊豆大島を望むことができる。柵や石でシイタケをイメージして作ったというデザインの展望台はシイタケを原木で育てる「ほだ場」に隣接するため「海とほだ場の見える展望台」と名付けた。SNSで反響を呼び、「着々と来園者が増えている」と徳田さん。「展望台をきっかけに若い人にも農業に関心を持ってもらえれば。いずれは飲食物も提供していきたい」と意欲を見せる。

　熱海ビーチラインの伊豆山港に架かる赤い橋のたもとにも8月、新たな展望台が完成した。ビーチラインを運営する「熱海インフラマネジメント」が空き地だったスペースを整備。アイドルグループ櫻坂46「車間距離」のロケ地となり、ミュージックビデオに橋が登場することで話題を集めた。同社の担当者によると、3月に映像が公開されて以降、ファンが多く訪れるようになったため、きれいなところで撮影してもらえればとデッキを整備したという。「駐車場も2台分用意した。道路には入らないように、モラルを守って安全に楽しんでほしい」と呼びかける。

　熱海市内では、「映えスポット」としてSNSに頻繁に登場する観光庭園「ACAO FOREST」や境内にいくつもの撮影台を設けた来宮神社など、定番のフォトスポットもある。新たなフォトスポットの登場で、これまで見逃されてきた魅力の発見や誘客に期待がかかる。